ワーキングホリデーの準備をしているんだけど「手続き」ってどんなことが必要なんだろ?
1年間ワーホリに行く予定だけど「海外転出届」って出すべきなの?
海外へ長期で渡航する際に提出する「海外転出届」。ワーキングホリデーに行くときにも、海外転出届を出すべきなのか徹底解説します。
- 海外転出届は出すべきかどうか
- 海外転出届を出す場合のデメリット・メリット
- 海外転出届を出すタイミングや必要書類
- 海外転出届を出さなかった場合の「税金」は年間いくらになるのか
ワーホリ前に「海外転出届」は出さなきゃだめ?
結論から言うと、海外転出届はワーキングホリデーに行く前に出すべきです。
理由は、海外転出届の提出によって、支払い義務のある税金を免除できるからですね。
具体的には「住民税」「国民健康保険」「国民年金」の支払いを回避できます。
ただし、いくつか注意点もあります。
- 届け出を出す自治体によって、案内が違う場合がある(海外転出できないこともある)
- 税金の免除には、将来的に受け取れる年金が減ってしまうデメリットもある(後から納税できない)
ワーホリ前に海外転出届を出すかどうかは、あくまでも「自己の判断」によります。
「転出届を出せばいい」「転出届は出さなければいけない」というものではありません。
自身の将来を考えて判断してみてください。
- ワーホリ中の税金を節約したい人
- 1年以上、海外へワーホリする予定の人
- 3ヶ月以上、海外へ渡航する予定の人
以下で詳しく解説します。
海外転出届の基本情報
海外転出届は、1年以上海外へ滞在するさい、各市町村へ提出する書類のこと。
引越しのときに提出する「転入、転出」の届出と同じです。
転入・転出の手続きは法律によって定められているもの。
【住民基本台帳法】によると「転入後・転出後14日以内に」市役所に提出しなければいけない決まり。
海外転出届も同じく転出届なので、提出する場合は出国の14日前から可能。
法律上は期間に関する規定はない。(住民基本台帳法)
基本的に市区町村の案内として「おおむね1年の海外へ転出」の場合は「海外転出届」を出すよう案内されている。
ワーホリの国民健康保険について
海外転出届に合わせて押さえておきたいのが「国民健康保険」について。
別の記事にて、ワーホリにまつわる国民健康保険のことをまとめた記事を作成しました。
記事の中では、「保険返納のタイミング」や「郵送で手続きができるのか」などを解説。
ワーホリの国民健康保険についての記事も合わせて確認してみてね
ワーホリの住民税について
ワーホリする際の注意点として住民税があります。
住民税は前年の所得に応じて決定され、納税の通知が来る「後払い」の税金。
滞納がないように気をつけてくださいね。
住民税に関する記事は以下です。
【知っておこう!】住民基本台帳法のこと
一点だけ注意点があります。
それは、住民基本台帳法に記載されている内容のこと。
第四章「届出」;第23条、第24条(転居届)
第23条 転居(一の市町村の区域内において住所を変更することをいう。以下この条において同じ。)をした者は、転居をした日から14日以内に、次に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。
一 氏名
二 住所
三 転居をした年月日
四 従前の住所
五 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄
(転出届)
第24条 転出をする者は、あらかじめ、その氏名、転出先及び転出の予定年月日を市町村長に届け出なければならない。
法令リード:住民基本台帳法
つまり現在の住所から、転居・転出したら(海外転出も含む?)14日以内に届出を出さなければいけません。
さらに、罰則の記載もありました。
うえの第23条、第24条に対する罰則の記載
第52条 第22条から第24条まで、第25条又は第30条の46から第30条の48までの規定による届出に関し虚偽の届出(第28条から第30条までの規定による付記を含む。)をした者は、他の法令の規定により刑を科すべき場合を除き、5万円以下の過料に処する。
2 正当な理由がなくて第22条から第24条まで、第25条又は第30条の46から第30条の48までの規定による届出をしない者は、5万円以下の過料に処する。
法令リード:住民基本台帳法
- 海外転出届を出す場合は、出国の14日以内に届出をだすこと。
- 正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の可能性もある。
罰則はあくまで可能性の話。
そもそも「ワーホリは旅行と同じ扱い」をする市町村もあるので「とってもグレーな話」です…個人的には、海外転出届を出すのが無難だと思います。
Toutubeで、解説動画を出されている方がいました。シンプルでわかりやすいです。
「結論」と「住民基本台帳法」の部分をご覧ください。
Youtuber海外週末ノマド「ダイスケ」さんの解説
なぜ1年以上のワーホリ(海外渡航)で提出が必要?
ポイントは税法上の「居住者になるか非居住者になるか」です。
なんだか難しそうなはなしだなぁ…
大丈夫!シンプルに解説しますね!
海外への滞在予定
情報の参考もと:国税庁|No.2875 居住者と非居住者の区分
情報の参考もと:国税庁|業務の都合により1年未満で帰国したり、海外勤務が1年以上となった場合の居住者・非居住者の判定
海外渡航期間が1年未満の場合は「旅行、観光」と同じ扱いになるので、海外転出届は出さなくてもいい。
しかし、税金の支払い義務があるので「国民健康保険、国民年金、住民税など」の支払いが必要。
1年以上の渡航予定で出国した場合。
海外転出届を出せば、税法上は「非居住者」の扱いになり、税金は払う義務がない。
海外転出届を出すとどうなるの?「メリット&デメリット」
ワーホリ前に海外転出届を提出するメリット・デメリットを紹介します。
デメリット
- ①住民票が日本国内になくなる
-
日本に住所がなくなるので、公的な書類が作成できなくなります。
- ②国民健康保険が使えなくなる
-
海外転出届を提出する際には、国民健康保険も返納します。
病院にかかる場合などは、医療費が実費になってしまいます。
- ③マイナンバーカードが使えなくなる
-
マイナンバーカードは住民票に紐づいているので、返納しなければいけません。
身分証明書として使えないので、パスポートか運転免許証のみになります。
ワーホリで海外送金をするならWiseがおすすめ!
Wiseの登録には、マイナンバーカードが必要なので、海外転出届を出す前に確認してみてください。
- ④印鑑登録も抹消される
メリット
- ①住民税の支払いが免除される
-
住民票が国内になくなるので、住民税の支払いが必要なくなります。
- ②国民年金の加入義務がなくなる
-
月額16,520円(令和5年度)の年金支払いが義務ではなくなります。
- ③国民健康保険の支払いがなくなる
-
同じく住民票が国内になくなることで、健康保険料の支払いがなくなります。
大きなメリットは「支払い」に関すること。免除される項目が多いので金銭的な負担が減ります。
デメリットとしては海外転出届を出すと公的な手続きができなり、保険が実費になってしまうこと。
出国の数日前に海外転出届を出すと、もしものケガや病気に安心ですね
海外転出届を出さない場合の年間支払額は?
海外転出届を出さずに、ワーホリをスタートしたらどうなるのー?
「日本に住んでいること」になるから、税金を払わなきゃいけません!
海外転出届を出さないということは、現住所を日本に設定したままにするということ。
主な支払い義務のあるものは「住民税、国民健康保険、国民年金」の3つ。
ワーホリ中に税金を支払いを続けたら?
海外転出届を出さなかったら、税金の支払いは年間いくらあるのでしょうか?
ざっくり計算してみましたが、驚きの金額に…!!
計算方法が複雑だったので、各種税金の料金は参考サイトをもとに計算しました。
お仕事や住んでいる地域によって、金額がおおきく左右するのであくまでも参考に。
国民健康保険料の計算サイト;https://5kuho.com/keisan/
- 住民税
- 国民健康保険
- 国民年金
- 住民税
-
例)年収200万円の独身だと、住民税は8万3000円(年額)
参考:ほけんROOM
- 国民健康保険
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例)年収200万円独身、11,409円(月額)、東京都新宿区の場合
例)年収200万円独身、13,796円(月額)、165,560円(年間)北海道札幌市
- 国民年金
-
令和5年度(令和5年4月~令和6年3月まで)は月額16,520円。
年間の支払い総額はこちら!
住民税 | 国民健康保険 | 国民年金 |
83,000円/年 | 165,560円/年 | 198,240円/年 |
年間支払い総額:446,800円 | ||
月額:37,233円 |
44万円!?
総額とはいえ貧乏ワーホリの僕には厳しい金額です…
【注意】ワーホリ中の住民税を免除しない市町村もある!
市区町村によってはワーキングホリデーを観光ビザ(旅行)の一種と位置付けるところもあります。
よって、住民票を抜くこともできません。
つまり住民税、国民健康保険料、国民年金の支払い義務が発生します。
自分が住んでいる市区町村はどのように対応しているかしっかり確認しましょう。
なぜ免除されないのか
ワーホリは【旅行】だから海外滞在じゃない=日本に現住所がある=住民税を徴収
海外転出(海外転出届)をしても課税すとの記載が…厳しいなぁ…
海外転出届を出すタイミング、持ち物など
結局、海外転出届はいつ出したらいいの?
手続きの時ってなにが必要なんだろ?持っていくものとかあるのかな?
海外転出届を提出するタイミングや持ち物について解説します!
M ;海外転出届を出す際に必要な書類持ち物は?タイミング、持ち物、場所、事前確認
ボクホリからのアドバイス
すでに出国の予定(日付)が決まっているのであれば、「出国日or出国前日」に国民健康保険証を切り、郵送で返納することができないか窓口で相談してみるのも手です。
保険証の返納は郵送でも可能な場合がありますよ
あくまでも一例です。手続きする市町村により対応は違うので注意。
- 出国日または出国前日まで保険証を使うことができないか
- 郵送での返納は可能か
- 送り先の名前はどの部署か
- 郵便の配達方法は?(一般書留or簡易書留)
ボクホリの体験談
2週間だけ一時帰国した時のお話。
免許証の更新のため、ボクは一時的に海外から転入しました。
必要な手続きは「転入届・転出届・国民健康保険加入」です。
国民健康保険は転入の際には自動で加入するのですが、出国前に返納の時間がどうしてもなく。
市役所へ出向く行くことができませんでした。
なので、一時的に発行してもらった国民健康保険証を郵送で返納しました。(転出届も同封したような…)
おかげ様で、出国の前日まで手元に保険証を持っていることができました。
一時帰国時の、もしものケガや事故にあった場合の不安が減りました。
ちなみに、加入による保険料も支払いは無し。住民税も短期だったから課税無しでした。
ワーホリの海外転出届に関するまとめ
ワーキングホリデーを始める前に海外転出届を提出することで、月々の金銭的な負担が大きく減ります。
海外転出届を出し支払いを無くした分「海外で自己投資に使えるお金が増えるのはいいことだなぁ」と個人的には思っています。
ボクは「海外転出届は出すべき」と思ってます
しかしながら、支払いに関しては経済状況も各々で違いますし、捉え方も考え方もさまざま。
ワーホリの準備をしながらしっかり考えて、自分なりに結論を出しましょう。
渡航後に必ず必要になるクレジットカードについて記事を書いてます。参考にしてみてくださいね。
おすすめは「年会費無料&旅行保険つき」のエポスカード
ワーホリ前に、日本円をどうやって海外へ送ろうか悩む方は多いです。
大手銀行での海外送金は、手数料が高額なのでおすすめしません。
ぜひ、Wise(ワイズ)のサービスを知ってみてください!